虫歯・歯周病で現在の歯を失いたくない方へ
厚生労働省による平成23年歯科疾患実態調査では、80歳の方が平均的に残している歯の本数が約14本という結果でした。年々、歯の残存数は増加していますが、日本に次ぐ世界第二の長寿国スウェーデンの80歳の歯の残存数は、25本と日本の2倍近い数字です。
このスウェーデンと日本の差は何でしょうか?
虫歯も歯周病も原因が明確な病気です
現在、虫歯も歯周病も運が悪くて罹ってしまう病気ではなくなりました。
虫歯も歯周病も細菌が感染して起こる病気なのです。
そのメカニズムは最近の研究でほぼ解明されており、いかに効果的に発症を防ぐかが世界規模で研究され、現在ではその効果的な予防法が世界中の日常臨床に応用されています。
各国の歯科定期健診&クリーニング受診者の割合
スウェーデンのみなさんは常に予防歯科を受けて歯を大切にしており、歯医者は治療のためでなく、歯の汚れを除去したり、歯や歯ぐきの健康チェックという予防のため(メンテナンス)に歯医者に行くのが普通と考えているからです。これはアメリカやヨーロッパ各国も同じです。
一方、次のグラフを見てるとわかるように、日本人のメインテナンス率はわずか2%です。自分ではきれいに磨けない歯は、プロの手にゆだねて定期的にしっかりと、きれいに磨いてもらいましょう。
ケアに対する違いが、同じ長寿国でもしっかりとした歯を持ち続けるスウェーデンの人たちと、私たち日本人との大きな差になって現れています。
予防(メンテナンス)が歯の寿命を延ばす!!
健康な状態をキープするにはご自宅でのセルフケアとクリニックでの定期的なプロフェッショナルケアが重要です。
ただし、虫歯も歯周病も高度に進行してからでは予防どころではありませんので、軽度のうちにちゃんと治療を受け、その後、予防歯科治療を受けて大切な歯を守りましょう。厚生労働省の調査では、メンテナンスを定期的に受けていない方たちは50歳を過ぎると10年間に平均5.4本の歯を失っています。
これに対して、メンテナンスを定期的に受けている方たちは、平均0.7本しか歯を失っていません。その差はなんと8倍です。
定期健診で、虫歯や歯周病から歯を守りましょう
予防・メンテナンスプログラムについて
フジセデンタルクリニックで行う定期検診
フジセデンタルクリニックでは、健康な口内環境を維持していただくために、 状態によって1~6ヶ月ごとにメンテナンスを実施しています。初期の虫歯や歯周病は自覚症状がほとんどありません。しかし、放っておくと虫歯や歯周病は進行し、普段の生活に支障をきたすようになります。
虫歯や歯周病にならないように、させないように…
当院では、レントゲン診断や歯茎の検査(ポケット検査)以外に
- 位相差顕微鏡を用いた原因菌の検査
- 唾液検査
- ブラッシング指導
- PMTC~プロによる歯のクリーニング~
などを行っています。
ぜひ、各種検査を受けて、ご自分のお口の健康状態を把握してください。
それぞれに合った予防歯科のプログラムをご提供いたします。
位相差顕微鏡を用いた原因菌の検査
普段隅々までしっかりとブラッシングをしているつもりでも、磨きづらいところなどがあり、知らず知らずのうちに汚れは蓄積されます。ブラッシングで落としきれずに熟成した強力なプラークの中には、歯ブラシでは落としきれない虫歯や歯周病の原因菌がたくさんいるのです。
当院では、位相差顕微鏡を用いて、この原因菌を確認していただくことができます。
女性スタッフが検査を担当します。女性の患者さんもどうぞリラックスして検査をお受けください。
位相差顕微鏡を用いた、行内環境検査例
歯周病治療前と治療後
唾液検査(虫歯リスクテスト)
「毎日歯磨きをしているのに虫歯になってしまった」
「あまり歯磨きをしないのに、虫歯になったことがない」
など、なぜこのような差が出るのか疑問に思ったことはありませんか?それは自分自身がもっている虫歯菌の数や、唾液の性質、食生活や生活習慣によって、一人ひとり虫歯になる原因が違うからです。
ただ単に歯磨きをしないから虫歯になるというわけではないのです。自分が虫歯になってしまう原因は何なのか…
それを調べるために行うのが唾液検査です。
虫歯の原因は主に3つ
これらを上手にコントロールできれば虫歯は予防できます
プラーク中の虫歯菌は、食べたり飲んだりしたものの中に含まれる炭水化物や糖を利用して、歯を溶かす「酸」を作ります。この酸によって歯からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出します。この働きを「脱灰」と呼びます。
脱灰が持続すると、歯の結晶構造が破壊されて歯に穴があいてしまいます。正常なお口の中では、唾液の働きによって唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンが再び歯の表面に沈着するので、歯が破壊されることはありません。この働きを「再石灰化」といいます。
唾液分泌量
唾液には抗菌作用や洗浄作用などがあり、分泌量が多い程、虫歯のリスクは低くなります。歯の表面で食事のたびに繰り返される脱灰、再石灰化、フッ素イオンの供給は唾液を介して行われます。充分な唾液が存在することでエナメル質の健康が保たれるのです。
唾液緩衝能
プラーク中の虫歯菌が作り出した「酸」を中和する働きを緩衝作用といいます。
虫歯菌の出す酸によって、酸性(虫歯になりやすい状態)になった口の中を、唾液の力でどれくらい中性(虫歯になりにくい状態)に戻すことができるかを調べます。唾液の中に酸を中和する物質を多く含んでいると強い緩衝能を発揮し、再石灰化を促進させます。
ミュータンス菌数
虫歯をつくる菌です
食べ物に含まれる糖や炭水化物を分解して強い酸を出します。歯にベタベタと付着する不溶性グルカンを出し、酸性の環境でもどんどん増えてゆきます。数が多いほど、虫歯になるリスクが高くなります。
ラクトバチラス菌数
虫歯を進行させる菌です
生息する場所は限られますが、住み着くと食べ物に含まれる糖や炭水化物を分解して強い酸を出します。糖濃度の高い食べ物の飲食回数が多かったり、口の中が不潔だったりするとドンドン増えてゆきます。数が多いほど、虫歯の進行が早くなります。
カンジダ菌数
義歯を装着した患者さんに多くみられることがあります。カンジダ菌の増加により、口腔粘膜に炎症を引き起こします。これらを検査することにより、自分がなぜ虫歯になってしまうのか、その原因を突きとめることができるのです。
虫歯になる原因が違えば一人ひとり予防法も違います。唾液検査を行うことにより一人ひとりに合った一番最適な予防法を指導することが可能になり、それにより虫歯になるリスクは大きく減少するのです。
キシリトールガムを噛みましょう!!
ガムを噛む事は唾液を出すという点だけでなく、噛む力を鍛えて、脳の活性化にも役立ちます。しかし、どんなガムでもよいというわけではありません。ガムを選ぶときは以下のポイントをチェックしてください。
キシリトールは虫歯を作らないだけでなく、虫歯菌を抑制するなどの虫歯を作らないお口の中に変えることができる、唯一の甘味料です。(注 むし歯抑制効果を引き出すには正しい摂取方法が必要です)。甘味料としてキシリトールが100%含まれているものがベストです。少なくとも50%以上あるものを選んでください。
虫歯予防効果を期待してキシリトール製品を選ぶ場合、製品に記載されている<栄養成分表示>の内容を確かめることが肝心です。
栄養成分表示の見方
キシリトールの含有率が明記されていない時は、成分表示を見て、「キシリトールの量」を「炭水化物の量」で割ってください。
当クリニックで販売しているガムは
- キシリトール100%使用
キシリトール以外の甘味料は使っていません。 - 歯の主成分を配合
歯の主成分であるリン酸カルシウムを配合。 - 歯にくっつきにくいガムベースを使用
仮歯・矯正装置・義歯につきにくくなっています。
ブラッシングは予防の基本
一人ひとり顔が違うように、口の中も十人十色です。セルフケアというのは、歯磨きの仕方ももちろん重要ですが、自分のお口の中に合う歯ブラシを選ぶことも、とても重要になってくるのです。
プラークの中には酸を作り出す虫歯菌がたくさんいます。特に咬み合わせの溝や歯と歯の間、歯肉の境目の「隠れ場」にあるプラークはとても危険です。フジセデンタルクリニックでは、まず上記の各種検査を行い、その上で患者さんに合った歯磨きの仕方、歯ブラシ等の清掃用具のご紹介を行っております。
予防歯科では私たちはあくまでもサポート役で、決して主役ではないのです。
ブラッシング指導前
ブラッシング指導後
PMTCは虫歯や歯周病を再発させないための一番の予防法
PMTC~プロによる歯のクリーニング~を行います。
PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、専用の機械を使い、1本1本綺麗にクリーニングする治療法です。
虫歯、歯周病は毎日歯をみがけば予防できると思われていますが、ご自宅での歯みがきだけでは限界があります。それは病原菌である虫歯菌や歯周病菌がお互いに連鎖し合って膜『バイオフィルム』となるからです。このバイオフィルムは歯みがきではなかなか落ちません。
ちなみに、歯石とりだけでは、歯の表面がざらざらしているのでプラーク(歯垢)や歯石が再付着しやすいです。定期的にプロのスタッフによってツルツルに磨きあげること(PMTC)により、隅々まで痛みなく歯の表面を傷付けずに清掃します。これが虫歯や歯周病を再発させないための一番の予防です。
カップやチップを用いたPMTC
専用のラバーカップやチップなどを低速回転で歯をツルツルに磨き上げていきます。車で例えると、コンパウンドをかけて細かい傷をとることで、汚れがつきにくくなるようなかんじです。当クリニックでは、状態に応じて様々な研磨ペーストを使用いたします。
エアフローによるPMTC
水と超微細なパウダー(重炭酸ナトリウムまたはアミノ酸の粒子)をウォータースプレーと共に射出し、歯の表面のプラークや着色物を取り除きます。
日常の歯磨きでは落としにくい場所にある「バイオフィルム(細菌の塊)」が、エアフローを使うことで効率的に除去でき、歯周病や虫歯の予防に高い効果を発揮します。歯周ポケット(歯と歯茎の境目の溝)奥深くの細菌やバイオフィルムまで除去することができ、PMTCの際に必要不可欠な器械です。精度の高いメンテナンスが可能で、多くの方々に非常に喜ばれております。高血圧の方にも塩分を含まないアミノ酸のパウダーを使用する事で安心してご利用していただけます
PMTCの効果
- 歯肉炎、歯槽膿漏、口臭の予防
- 知覚過敏、虫歯の進行抑制
- タバコのヤニや茶渋
フッ素でさらなる虫歯予防
フッ素で虫歯の進行を防ぐことができる理由は、次の通りです。
- 歯の再石灰化を促進する!
- フッ素が歯に取り込まれ、酸に強い歯を作る!(フルオロアパタイトが形成される)
- 虫歯菌が酸を作るのを抑制する!(フッ素で虫歯予防ができる最大の理由)
フッ素の応用方法には色々な方法がありますが、次のことに気をつけることでより一層フッ素の効果を高めることができます。
- フッ素を使用する前にプラークコントロールを行い、プラーク(歯垢)を落とす!
- フッ素の濃度よりも、回数や隅々まで行き渡っているかどうかが重要!
- 複数のフッ素利用法を併用する!
- フッ素使用後、30分間は飲食しない!
フッ素は歯の再石灰化能力を高めるので初期の虫歯には有効ですが、すでに穴が空いていたり、痛みが出てきているような虫歯はフッ素だけで治ることは絶対にありません。
フッ素は、虫歯の予防と初期の虫歯の進行抑制に対してのみ有効です。
医療機関で受けるフッ素と、歯磨き粉剤に含まれるフッ素の違い
これら2つの違いは、フッ素の濃度にあり、期待できる効果も少し異なります。歯科や市町村の保健センターなどの医療機関で使用する高濃度のフッ素(9,000~123,000ppm)は、歯質の強化を特に期待することができます。
一方で、家庭で使用できるフッ素配合の歯磨き剤などに含まれる低濃度のフッ素(500~1,000ppm)は、使い続けることで再石灰化の促進や酸を作る力を抑えることを期待することができます。
普段ご自宅でのセルフケアでは、再石灰化の促進や酸を作る力を抑えるために低濃度のフッ素を使用
定期健診(メンテナンス)でのプロフェッショナルケアでは、歯質の強化のために高濃度のフッ素を使用
これらを併せて行うことで、虫歯予防の効果がより高まります。
おすすめセルフケア用フッ化物
歯ミガキ剤としても、フッ素コート剤としても使用できます。
- 殺菌剤配合により虫歯、歯周病を予防します。
- 歯石の原因を除去し歯面の汚れを落とします。
- ジェル状歯ミガキなので細かい部分までジェルがいきわたります。
- 発泡剤(泡立ち成分)研磨剤、着色料無配合。
【成分】
薬用成分:フッ化ナトリウム950ppm・塩酸クロルヘキシジン0.05%・ポリリン酸ナトリウム(キレート剤)
0.4%フッ化第一スズ(970ppm)が、歯を構成する主成分・リン酸カルシウムと反応し、歯質の耐酸性を高め、再石灰化を助けます。また、他のフッ化物(フッ化ナトリウム・リン酸酸性フッ素溶液)にくらべ、虫歯や歯周病の原因菌の発育防止に優れた効果があります。
キシリトール配合による自然の甘さで、小児から成人まで幅広くお使いいただけます。歯磨きをした後に使用してください。
歯科医院専用フッ化物
2%フッ化ナトリウム(9000ppm)が、虫歯になりにくい強い歯質を作ります。さわやかなアップルの香りです。1回のフッ素塗布だけでは高い効果は期待できないため、毎回の定期健診でのPMTC後に塗布し、虫歯予防の効果を高めます。
フジセデンタルクリニックではこの他にも多数ご用意してお待ちしています
歯肉マッサージ
歯肉マッサージは、最も新しい歯のエステ
筋肉がほぐれ、フェイスラインもリフトアップ!!
- ストレスフリーのキルギス馬プラセンタエキスを配合。
- 爽やかにリフレッシュできるラ・フランスの香りです。
歯茎も凝ったりします
スーッとスッキリするハーブミント
主成分メントールは消化促進や強壮、消毒の効果に優れています。メントールは鎮痛、鎮痒作用があるため、口の中がさっぱり。忙しくてイライラするときやリフレッシュしたいときにおすすめです。
オレンジの香りがさわやかなマンダリン
神経系を緩和し、ストレスや緊張をほぐしてリラックス。心の不安が巻き起こす無気力感や落ち込みを改善して、マイナス感情を取り除きたいときにおすすめです。
清潔な指に適量を取り、上下の歯肉に塗り、10~15分間、優しく円を描くようにマッサージいたします
歯肉マッサージの効果
- 血行促進
- 唾液分泌の促進
- 筋肉がほぐれフェイスラインがリフトアップ
- リラクゼーション
フジセデンタルクリニックでは、
リラックスしてPMTCを受けていただける特別な空間をご用意しております。
まるでエステを受けている感覚で、
歯のクリーニングをお楽しみください。